人には誰しも「思い出の曲」や「強く思い入れのある曲」があるかと思います。
私も例に漏れず何曲かあるわけです。
それは今から10数年前。
当時のスナックミーティングは今日明日つぶれてもおかしくない状況にありました。
私はミーティングにはおらず、隣町で魚を捌いていた。そんな時期です。
お店にはママ1人。
1週間のうち5日、誰一人としてお客さんが来なかった…そんな事もあったようです。
隣町での仕事を終え、いつもは真っ直ぐ帰宅する私でしたが、何故だかその日は用もないのに店に寄ります。
玄関から茶の間へ入るとそこにはママの姿がありました。
「もう限界だ」
そう彼女は言います。
その言葉と、とある書類をみつけた私は、すぐさまホームセンターへ行き紙と封筒を購入し、家に帰り退職願を書きます。
翌日、それを提出。
受理されその月の月末をもって退職する運びとなりました。
その日から隣町の仕事を終え、家に帰り、準備してミーティングに出勤する生活へとかわっていきます。
隣町の仕事も無事退職し、ミーティング1本となった私。
あの手この手色々と考え実行するもなかなか実らず…の日々が繰り返されました。
しかし僅かにごく僅かに少しずつ少しずつ前進している気もしていました。
そんなある日、突如体調を崩すママ。
そのまま入院する事となりました。
言って、まだまだ飲み屋ぺーぺーの私。
突然1人になり、それはそれは不安の日々です。
その時は月中。
ママより店のお金だと渡されたのが3万円。
月末の支払いが20万円以上。
潰れかかっていたわけですので貯金なんてあるわけもなく…
ありがたい事に、なんとかクリアは出来ました。
しかし、状況はとても良いものではありません。
なんとかして…と悩みに悩んだ私は、シンプルに誰も来なくても午前3時までは毎日お店を開けていよう!という行動に出ます。
毎日1組か2組かのお客さん。
誰も来ない日なんてのも珍しくありません。
そんなある日。
その日はお客さんが0でした。
午前2時くらいだったと記憶しています。
ボックス席に座りこれからどうしようか?と考えつつボケーっとテレビを観ていた私。
ドキュメンタリー番組でした。
どんな人を追いかけたドキュメンタリー番組だったかはまるで覚えておりませんが、その番組がエンディングを迎えたのです。
そのエンディング曲はウルフルズの「笑えれば」でした。
なんとなく聴いていた私。
次第に歌詞に引き込まれていきます。
その歌詞と自分がリンクしたのです。
情けない帰り道ハハハと笑えれば…
毎日静かなお店、午前3時に閉店しそれはそれは情けない思いでトボトボと帰宅していました。
仕事を辞め、店を立ち直そうと意気込んでいたが結果がついてこない。
「すべてがうまく行くはず
そう信じているのに
なぜかあせってグラついて
ジタバタするけど
とにかく笑えれば
それでも笑えれば
今日一日の終わりに
ハハハと笑えれば」
この曲の歌詞がズバズバと胸に突き刺さる。
そして勇気をもらったのです。
「あきらめない
逃げたくない
自分を見失いたくない
汗をかき
恥をかき
転がりつづける」
この部分を胸に日々を過ごそうと決めたのです。
それから山あり谷あり、紆余曲折しながら今に至ります。
まだまだ道の途中です。
どんな事があっても最後にハハハと笑えれば…
私の大事な曲。
ウルフルズの「笑えれば」
昨日、久しぶりに聴いて書きたくなった今日のブログ。
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