今回は短い話を3ついたします。
その1「帰り道、肩を掴むもの」
今から約15年前。
私と友人3名の計4名で遊びに行った時のお話です。
私の運転で車で1時間半かかる町へ遊びに行きました。
夕方から出発して晩御飯を食べ買い物してボウリングでもして帰ってこようと言う暇に暇を持て余した男たちの単なる暇つぶしです。
全ての用事を済ませ、その帰り道にそれはおきました。
夜道に車内で「本当にあった呪いのビデオ」流しながらの帰路。
出発当初は全員「呪いのビデオ」を見ていたのですが、やがて一人寝、二人寝、ついには運転する私意外の全員が寝ていました。
それなりに耐性のある私ですが、流石に夜道で一人ぽっちで見る「呪いのビデオ」には恐怖を感じておりました。
そんな時です。
山道の中でそこだけ電灯で煌々と照らされているカーブが現れます。
そのカーブに差し掛かった時でした。
運転している私の右肩が何者かに掴まれました。
「え?え?」
運転しながら右肩をチラッと見ると手があります。
その瞬間に叫ぶ私。
叫び声で驚いて起きる全員。
最初は運転席の後ろに乗っている友人の仕業だと思ったのです。
あんなにもハッキリ手が見えたので。
しかしルームミラーで寝ている友人をしっかり見ていました。
その時、確実に私しか起きていなかったのです。
後日、心霊スポットに明るい方にこの話をすると「あーあそこ出るって噂あるよね」とあっさり言っておられました。
因みに確かその場所から近いところにカーブミラーがあって、日中に車で走行中そのカーブミラーに男性が2人並んで立っているのを見たので辺りを見渡したのですが、周りには人っこ一人いなかったことがあります。
その2「背後に感じる来客」
とても短い話です。
出勤してお店の棚を整理している時でした。
焼酎のボトル整理をしているとドアが開く音がしました。
お客さんだ!と思ったのですが両手にボトルを持っていて手元もてんやわんや状態ですぐには振り向くことができませんでした。
「いらっしゃいませ」と発し、急いでボトルを棚に押し込んでいると背後からハイヒールの音がこちらに近づいてきます。
女性のお客さんだ。誰かな?と思いようやく振り向くと、そこには誰もいませんでした。
驚いてすぐに店から逃げました。
後々考えてみるとあのハイヒールの音には聞き覚えがありました。
「あー亡くなっても尚、遊びに来てくれたんだ」と何だか温かい気持ちになりました。
その3「ボックス席に座る人」
当時、私は従業員でしたので経営者となった今では私が開店させますが、当時は開店後の出勤でした。
お店のドアから店内に入ると入り口から遠いボックス席に赤いズボンの男性が座っております。
あ、開店早々お客さんが来てくれているのか!と思い、冬だったのでコートを着ていた私は直接ボックス席には行かずカウンターのその先の荷物置き場にひとまず向かいました。
その場所にたどり着くと、ちょうどそのお客さんと目が合うような位置になります。
そこからご挨拶しようと思い、その場所にむかい、いよいよ到着してボックス席を見てみると誰もいませんでした。
赤いズボンの男性なんていなかったのです。
しかし確実に座っていました。
よくよく考えてみたら思い当たる人がいます。
生前のあの日、赤いズボンを履きあの場所に座っていました。
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